時のホテルのサウナは設定温度110度である
サウナルームに
もれなく置いてある
サウナ用アロマを
1リットルの水に混ぜて準備する
アメニティのサウナハットを被ったら
サウナルームへ
サウナ内に備えてある砂時計をひっくり返す⏳
まずは5分間
110度の高温に身体を慣らす
砂時計の砂が落ちるのが遅く感じる
熱い
実に熱い
サウナーを気取る僕はこれを乗り越えた後の水風呂の心地よさを知る男
耐えた後の快感を得るには全然物足りない
5分を乗り切ったら
もう一度砂時計⌛️を返す
すかさず
金属製のバケツに入ったアロマ水を柄杓で掬い取ると
サウナストーブの上で熱せられたサウナストーンに注ぐ
焼けた石とアロマ水がジュッと音を奏でる
一杯目
まだ熱波を感じる事はない
2杯目のアロマ水は
多めにゆっくりと注ぐ
ジュワーっと音を立てながらサウナストーンから湯気が立ち
サウナ室内がアロマオイルの爽やかな香りに満たされる
すぐに
熱波が僕を襲う
蒸気のせいで
熱さを感じ
全身の汗腺から
汗が滲み出すのを
感じる
半露天の壺湯には
整いに欠かせない
冷水を満たしてある
熱さを我慢しながら
僕は冷水に入った時に訪れる
あの快感を想像する
すぐに砂時計の上から下へ砂は落ちた
僕は
サウナの扉を開けると
そのまま冷水で満たされた壺湯に入った
そして潜った
頭まで潜ってしばらくじっとしていたら
子供の頃のプール開きを何故か思い出した
お金の事も
世間のしがらみも
何もなく
ただ無邪気に
冷たいプールに
飛び込んだあの頃を思い出した
何故だろう
そして身体の火照りが冷めた頃
僕は
冷水から抜け出し
半露天に置かれた
1人掛けのソファーに座った
今日一日のストレスが身体から抜け落ち
頭の中に溜まっていたモヤモヤがスッキリ消えていた。
一人
ホテルで整った
深夜の出来事